いまなぜ…? ふぞろいプロジェクト
食料自給率40%の「不安」
日本の平成22年度の食料自給率は40%、広島県は更に悪くて26%(平成22年度)です。
(※農林水産省データより)
温暖化や異常気象などから近い将来訪れると言われる食料不足の危機。
出来るだけ食料を海外依存しない農業の再生が求められています。
食料から見た…環境の「不安」
「ヴァーチャルウォーター」と「フードマイレージ」
「20世紀は石油で戦争をしたが、21世紀は水で戦争をする時代になる」と言われるほど世界の水不足は深刻です。この水不足を反映して、農作物を水に置き換える考え方が注目を集めています。農作物の生産には、たくさんの水を使います。
牛肉100gを生産するには2000リットルの水、米100g生産するには360リットルの水が必要です。食料をその生産に使われた水の量に置き換える考え方が「ヴァーチャルウォーター(仮想水)」です。
世界的に水不足が深刻化する中、指摘されるのが仮想水の移動の不均衡です。
食料を輸入に頼る日本は、膨大な仮想水の輸入国…世界の水を浪費する国です。
また食料の重さと輸送距離を掛け合わせたものが「フードマイレージ」です。
輸送にかかるエネルギーやCO2の排出量の多さが問題となっています。
食料を輸入に頼る日本は国民一人当たりのマイルが世界一です。
地域崩壊の「不安」
広島県の農家の収入は、15年間で45%減少しています。当然人々は農業から離れていきます。国は規模の拡大と集団経営農業を推し進め農業の再生を目指していますが、その施策からこぼれ落ちるのが小さな個人の農家です。その担い手はほとんどが高齢者。
このままだと日本の農業は衰退するとともに故郷も崩壊してしまいます。大きな資本を持たない人でも携われる…そんな農業の環境づくりが必要です。
ふぞろいプロジェクトの活動
「自給率アップと食の安全確保」という課題に対し、企業の農業参入や農業の大規模は確かに有効な施策です。しかし、この施策からこぼれ落ちる農家もあります。点在する高品質で安全な野菜をつくる個人の農家をまとめ、生き残りの道を探ること。
規格外農産物を市場に流通させることで、農家の増収を目指し、安全、安価な安心野菜を消費者に届けること。更に知恵と工夫を集め、生活者の視点で、規格外農産物を利用した新しいビジネスの模索とニーズの開拓をすること。これが「NPO ふぞろいプロジェクト」の理念です。現在、NPOふぞろいプロジェクトには、三次地域の農家が20件、東広島でも36件、北広島で83件…有機農業に取り組む農家が参加しています。
まさに「地産地消」の「安心」食材…それが、ふぞろい農産物です。この安心で美味しい食材をつくる農家を守り育てることが、食の「安心」につながると共に、次の世代のための地域や社会の「安心」づくりにつながるはずです